ダブルパンチ
2015年1月 6日(火曜日)
一般的なはじめたばかりの人向けの外為の書籍では、「マイナスになった時はナンピンすることで、平均の価格を抑える事ができる」等アドバイスしている事もありますが実際にはこれは相当の危険性が潜んでいます。
はじめに、ナンピン買いの理屈に関してごく簡単に記述しておきます。
仮定として1ドル100円でドルを買ったとします。
ドル買いだからドル高に推移するほど儲けが大きくなるわけですが逆に1ドル=95円まで円高が進んでしまったとします。
その状況で所有し続けたら、損失が戻るためには、円高になった分円安に向わなければなりません。
みんな、損は早めに無くしたいと思うでしょう。
これを解決するため最初に買ったのと同じ額の$(ドル)を取引します。
それで、ポジションの平均のコストは97円50銭まで安くする事が出来ます。
つまり、半分の幅で円安に向えば、マイナスを失くすことが出来ます。
こういったことがナンピンの手法です。
こういうふうに、ナンピン買いのやり方を耳にすると「なるほど」と思ったりするが、為替相場は容易には思い通りにはいきません。
最初から、1ドル=95円が底値だということなど誰も分かるわけがありません。
もしも、為替相場がかなりの円高ドル安の流れであれば、1ドル95円では収まらず、円高が進む確率が高くなります。
仮に、1ドル97.50円でナンピン買いをして、1ドル=95円まで円高になったとしたらナンピンをした分についても損失が生まれてしまいます。
そういう状態では最初に取引したドルと同時に二重の損を被ります。
例示したとおり、ナンピン買いは一筋縄でいきません。
であるなら、外国為替市場が自身の脚本とは反対に進んでしまった場合どんな手法でリスクを管理すればいいのでしょうか。
この場合選択する手段は限られています。
まずひとつめは執着しないで、損切りをする事です。
ふたつめはその段階で、所持しているポジションを小さくする事によって、もう一回外国為替市場が回復するのをひたすら待ち望む事だけです。
相当大人しい手段だと感じる人もいるでしょう。
だけど、自分の買いポジションにマイナスが生じた場合、適切なやり方はそれ以外にはあるはずがありません。
勿論、考え方としては、ナンピンするという対策も有効です。
けれどもナンピン買いは自身が損をしている場面で、買いポジションを無くすどころか、逆にポジションを積み増していく対策です。
この対策では、危険性をコントロールすることなどとてもやりようがないと思うべきです。
ナンピンをし続けられればいずれは勝てるかもしれません。
でも、それ以前に投資資金はショートしてしまいます。
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